2014年03月20日

吉良吉影の父親、吉廣のスタンド、アトム・ハート・ファーザーの元ネタ ピンクフロイドの『原子心母(Atom Heart Mother)』

吉良吉影が21歳の時に亡くなった父親、吉良吉廣の幽霊のスタンド「アトム・ハート・ファーザー」の元ネタは、ピンク・フロイドのアルバム『原子心母(Atom Heart Mother アトム・ハート・マザー)』だ。

全英で初登場1位を記録し、全米では55位とそれほど振るわなかったが、それでも全世界でヒットしたアルバムだ。とにかく、当時で言うレコードのA面をすべて使って収録されている23分を超える超大作組曲1「原子心母(Atom Heart Mother)」の存在感が半端じゃない。この1曲の中でも6つのテーマで作られている。1「父の叫び」、2分55秒から2「ミルクたっぷりの乳房」、5分27秒から3「マザー・フォア」、10分13秒から4「むかつくばかりのこやし」、15分30秒から5「喉に気をつけて」、19分14秒から6「再現」という内容だ。

オーケストラなどを使った非常にドラマティックな構成になっているが、決して大袈裟な感じは受けない。もともとこの曲はギターのデヴィッド・ギルモアが幻想的な西部劇のテーマをイメージして作った短い旋律にメンバーがいろんなヴァリエーションを加えていった曲であったが、次第に収集がつかなくなり、彼らの友人である現代音楽家ロン・ギーシンに編集を依頼する。そして彼はチェロ奏者、10人の管楽器奏者、20人の合唱団を起用し、ピンク・フロイドが作った曲に新たに録音した管楽器演奏やコーラス・パート、そして様々なサウンド・エフェクト類等をオーヴァー・ダビングし、そして編集し直した。特にホーンと合唱団が奏でる重厚で壮大な部分や、チェロとハモンドオルガンの叙情的な部分がうまく組み合わされていて、さすがロン・ギーシンは良い仕事をするなぁと思わせる。2「もしも(If)」は非常に綺麗な曲に仕上がっているし、他の曲もなかなかの佳曲ぞろいなのだが、1曲目のインパクトが強すぎてもったいない感じがする。

最後に有名な牛のジャケットの話をしておこう。これは、このブログでも何度か出てきたデザイン・グループ、ヒプノシスが手がけた作品である。ヒプノシスは1968年にストーム・ソーガソン、オーブリー・パウエル、ピーター・クリストファーソンの3人によって結成され、ストーム・ソーガソンがピンク・フロイドの結成時のメンバー、シド・バレットと学校の同級生だったことからロック界とつながりができ、ピンク・フロイドのジャケット・デザインを手がけるようになる。そんな彼らが一躍注目されるようになったのが、今回の元ネタになっている『原子心母』のジャケットである。しかしこのジャケットは斜め後ろから撮られた乳牛の写真が載るだけで、アーティスト名もアルバム名も表記されていない。最初はレコード会社から反対もあったが、このアルバムの商業的成功のおかげで、彼らの大胆なデザイン・ワークも広く認められるようになる。その後もピンク・フロイドとの関係は続き、『おせっかい』、『狂気』、『炎』、『アニマルズ』、『鬱』、『対』という一連のデザインを担当している。他にもメジャー・アーティストではレッドツェッペリン、ジェネシス、イエス、ピーター・ガブリエル、UFO、松任谷由実などを手がけている。


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