2014年04月06日

マリオ・ズッケェロのスタンド、ソフト・マシーンの元ネタ イギリスのプログレ・バンド ソフト・マシーン(Soft Machine)

ギャング団「パッショーネ」の組員マリオ・ズッケェロのスタンド「ソフト・マシーン」の元ネタは、イギリスはカンタベリーのプログレッシブ・ロック、ジャズ・ロック・バンド、ソフト・マシーン(Soft Machine)だ。

1959年に当時10代半ばだったキーボードのマイク・ラトリッジ、サックスのブライアン・ホッパー、その弟でベースのヒュー・ホッパー、ドラムのロバート・ワイアットが一緒になってジャズ風の音楽をやっていたのがきっかけで、1961年ごろマイク・ラトリッジ、ヒュー・ホッパー、ロバート・ワイアットの3人にギターのデイヴィッド・アレンが加わり、デイヴィッド・アレン・カルテットを結成し64年ごろまで活動する。このグループはイギリスのフリー・ジャズ・グループの先駆けとなる。

そして64年にブライアン、ヒューのホッパー兄弟、ロバート・ワイアット、ベースにリチャード・シンクレア、そしてギターにケヴィン・エアーズという5人でワイルド・フラワーズを結成する。しかし彼らはレコードを発表せずに67年に解散してしまい、その後、今回の元ネタになっているソフトマシーンというグループと、キャラバンというグループに分かれていく。

一方デイヴィッド・アレン・カルテットを64年に解散したデイヴィッド・アレンは、65年から66年までイギリスのBBCラジオでビート・ジェネレーションを代表する作家ウィリアム・バロウズと仕事をする。

そして1966年にようやくデイヴィッド・アレン、ケヴィン・エアーズ、ロバート・ワイアット、マイク・ラトリッジ、ラリー・ノーランの5人よってバンドが結成され、ウィリアム・バロウズの小説からバンド名をソフト・マシーン(Soft Machine)とする。そしてシングル「Love Makes Sweet Music」でデビューする。しかしラリー・ノーランはすぐに脱退し4人で活動していくことになる。

ヨーロッパ各地をまわって活動し、パリでのコンサートの後、帰英する際にデイヴィッド・アレンが麻薬問題により再入国が許されず、フランスに戻りそのまま脱退してしまう。68年にはジミ・ヘンドリックスの前座として3ヶ月にもおよぶアメリカ・ツアーを行う。この時デイヴィッドのかわりにギターを担当したのが、のちにポリスで活躍するアンディ・サマーズである。

滞在先のアメリカ、ニューヨークでケヴィン・エアーズ、ロバートワイアット、マイク・ラトリッジの3人でデビューアルバム『ソフト・マシーン(The Soft Machine)』を完成させる。しかしその後ケヴィン・エアーズが脱退。その代わりにバンドのロード・マネージャーだったヒュー・ホッパーがベーシストとして加わる。

そして69年に『Volume 2』を発表、その後彼らはイギリスを代表するジャズ・ピアニスト、キース・ティペットのグループからサックスのエルトン・ディーン、トロンボーンのニック・エヴァンス、、サックスのリン・ドブソン、フルート、クラリネットのジミー・ヘイスティングス、ヴァイオリンのラブ・スポールの5人を加えて8人で活動する。そして1970年に今回紹介する3rdアルバム『THIRD』を発表する。

前2作のようなコンパクトにまとまった曲はなく、アルバム1枚(発売当時はレコード2枚組)で4曲という非常にフリー・ジャズ的なアルバムである。元々彼らはジョン・コルトレーンやオーネット・コールマンらの影響を強く受けていて、当然のようにこのような音楽に変わっていたのだと思われる。そしてキース・ティペット・グループのホーン陣の参加により、さらにその傾向を強めている。4曲ともが18分越えの大作ばかりで、ジャズ・ロックと言われたりするが、アヴァンギャルドな感じやフリー・ジャズを思わせる部分もあったりする。1曲目の「Facelift」は特にその特徴が顕著である。ヘッド・フォンで大音量で聴いていると病み付きになりそうな曲である。2「Slightly All The Time」は単調に続くリズムにサックスが激しく絡み合うジャズ的要素が強い曲だ。3「Moon In June」はこのアルバム唯一のヴォーカル・ナンバーで、ロック・リスナーでも一番聴きやすいのではないだろうか。聴きやすいといっても19分もあるのだが。4「Out-Bloody-Rageous」は最初の5分ほど宇宙的な感じからキーボード、サックス、キーボードと主役の楽器が入れ替わっていくジャズロック色の強いナンバーだ。

もしかしたらロック・リスナーにとっては退屈なアルバムなのかもしれない。しかしこのブログを読んでくれている人にはこの作品をきっかけに、超強烈なフリー・ジャズの名盤、ジョン・コルトレーンの『アセンション(Ascension: Editions I & II (Reis) (Rstr)
)』などに行き着いて欲しい。彼らもこの辺のアルバムは聴いていたのではないだろうか。


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