2014年04月14日

ペッシのスタンド、ビーチ・ボーイの元ネタ アメリカのロック・バンド ザ・ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)

ギャング団「パッショーネ」の暗殺専門部隊の一人ペッシのスタンド「ビーチ・ボーイ」の元ネタは、アメリカのロック・バンド、ザ・ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)だ。

ザ・ビーチ・ボーイズは上から順にブライアン、デニス、カールのウィルソン3兄弟と従兄弟のマイク・ラヴに、ブライアンの高校のクラス・メイト、アル・ジャーディンの5人によって、カリフォルニア州ホーソーンで結成されたバンドで、当初はペンドルトーンズと名乗っており、これは当時サーファーの間で人気のあったファッション・ブランド、ペンドルトンから来ている。(もしかしたら荒木飛呂彦氏はジョナサン・ジョースターのガール・フレンド、エリナペンドルトンもここから取ったのだろうか。)その後彼らはカール&ザ・パッションズ、ケニー&ザ・カデッツと名を変え、最終的にザ・ビーチ・ボーイズに落ち着く。ちなみにケニーという名前のメンバーは居らず、どこから付けられた名前なのかは定かではない。

当初彼らのマネージャーを務めていたのがウィルソン兄弟の父親マリーである。そして彼が、地元でヒットしたデビュー曲「サーフィン」を持って、大手レコード会社キャピトルとの契約を成功させるのである。そして「サーフィン・サファリ(Surfin' Safari)」、「サーフィン・U.S.A.(Surfin' USA)」、「ファン・ファン・ファン(Fun, Fun, Fun)」、「アイ・ゲット・アラウンド(I Get Around)」、 作詞家ロジャー・クリスチャンと作った「409」、「いかしたクーペ(Little Deuce Coupe)」などヒット曲を数多く世に送り出した。1962年のデビュー・アルバムから1966年までの間にオリジナル・アルバムを7枚というハイペースで楽曲を量産していく。しかしそんな成功とは裏腹に1964年末ブライアンは精神に異常をきたし、ツアーに同行できない状態になる。そして彼の代わりにグレン・キャンベル、その後ブルース・ジョンストンが参加する。

ツアーのプレッシャーから解放されたブライアンは引き続き、作曲、プロデュース、歌、演奏でバンドの作品にはたずさわっていく。1965年には「ヘルプ・ミー・ロンダ(Help Me, Rhonda)」、「カリフォルニア・ガールズ」といったヒット曲を生み出す。そしてスタジオにこもって作り上げたのが、今回紹介する『ペット・サウンズ(Pet Sounds)』である。この作品は、あのビートルズを代表する、いやロックを代表する名盤『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)』の制作に大きな影響を与えたアルバムとして有名であり、ビートルズのポール・マッカートニーも、その影響を公言している。しかしこの作品は発表当時はそれほど商業的に成功したわけではなかった。最高10位、39週チャート・イン、売り上げは50万枚を記録しているが、当時の彼らの勢いはこれぐらいではなかったのだ。それを裏付けるように、この少し後に発売されたベスト・アルバムが最高8位、79週チャート・イン、売り上げも100万枚以上という結果である。確かに結果だけを見れば物足りないかもしれないが、『ペット・サウンズ』はこの後ロング・セラー・アルバムとなり、現在までで全世界でトータル900万枚以上を売り上げている。

たしかにこのアルバムでの変貌ぶりは、ファンはもちろんのことメンバーでさえ驚かされたのだから、そう簡単に正当に評価されるわけがない。そしてこの歌詞内容を見てメンバーは、「我々サーフィンバンドにふさわしくない。」と反発したのだ。結局このアルバムではメンバーの誰一人楽器を演奏せず、バック・コーラスを務めるのみという異例の事態であった。ブライアンが頭に描いたものを完璧に表現するために、彼が影響を受けた「ウォール・オブ・サウンド」の生みの親フィル・スペクターが使っていた超一流のスタジオミュージシャンを使うことになる。

このアルバムはトータル・コンセプト・アルバムの先駆けになった作品で、この後数多くのアーティストがシングル単位ではなく、アルバム単位で1つの作品を作っていくことになる。この作品に影響を与えたのがビートルズの『ラヴァー・ソウル』であり、この作品が影響を与えたのがビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』というこの関係がなかなか興味深い。内容は簡単に言ってしまえば、成長過程にあるひとりの若者が感じる現在および未来の希望、夢、不安をテーマに描いている。ある種、誰もが経験し共感できる普遍的な内容である。このアルバムはぜひとも国内盤を入手して歌詞カードをじっくり読んで欲しい。

この作品については1冊の面白い本があるので紹介しておこう。村上春樹氏が翻訳した著者ジム・フジーリの『ペット・サウンズ』でこのアルバムに対する熱い思いがこれでもかと書かれている。




ラベル:ビーチボーイ
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