2014年05月06日

ソリョラ・ロペスのスタンド、ジョイ・ディヴィジョンの元ネタ イギリスのロック・バンド ジョイ・ディヴィジョン(Joy Division)

小説『ゴールデンハート/ゴールデンリング』に登場するヴェネツィア・ギャングのトップ、ソリョラ・ロペスのスタンド「ジョイ・ディヴィジョン」の元ネタは、イギリスのロック・バンド、ジョイ・ディヴィジョン(Joy Division)だ。

ジョイ・ディヴィジョンは、1976年にギターのバーナード・アルブレヒト(のちにバーナード・サムナーと名乗る)とベースのピーター・フックの二人がセックス・ピストルズのライヴを見に行き、そこで衝撃を受けた彼らがバンドを組む決意を固めたことから始まる。そこに以前にライヴ会場で見かけたイアン・カーティスがヴォーカルとして加わる。そしてドラマーを探し、翌77年の8月にスティーブ・モリスをドラマーとして迎える。バンド名をスティフ・キトゥンズ、ワルシャワを経て、イアン・カーティスの発案によりジョイ・ディヴィジョンに落ち着く。ジョイ・ディヴィジョンの名前はナチス・ドイツの強制収容所内に設けられた慰安所に由来する。

そして1978年に、スタートしたばかりのマンチェスターのインディーズ・レーベル、ファクトリー・レコードと契約し、翌79年6月にデビュー・アルバム『アンノウン・プレジャーズ(Unknown Pleasures)』を発表し、全英アルバムチャートでは71位と振るわなかったものの、インディーズのチャートでは見事1位を獲得している。10月からはバズコックスのサポート・アクトとして全英ツアーに出て、翌80年1月にはヨーロッパ・ツアーを行い、2月からは再び全英ツアーに、そして3月からは2ndアルバム『クローサー(Closer)』の制作にと、過密なスケジュールが続き、イアンの心は蝕まれていく。さらにいろんな問題が加わり、ついに彼はツアーの最中の4月に睡眠薬で自殺を図る。この時は一命を取り留めたものの、すぐにツアーは再開され、1980年5月18日に最悪の結末を迎えることに。この日イアンは首吊り自殺を図り、23歳という若さでこの世を去ってしまう。そしてイアンの死にともないジョイ・ディヴィジョンは解散し、その後ニュー・オーダー(New Order)として生まれ変わるのだ。

今回はそんな彼らのラスト・アルバムにして最高傑作の『クローサー』を紹介しよう。とにかく異常に暗い、この一言に尽きるのではないだろうか。しかし個人的には決して嫌いではない。むしろ生涯でベスト5に入る作品だ。ある時期にはひたすらこのアルバムばかり聴いていた。しかし音だけを聴いていると暗くはない。ポップといっていい音だろう。でもなぜか寒さを感じるのだ。

1「アトロシティ・エクシビション(Atrocity Exhibition)」は一定のリズムが延々と続く起伏のない楽曲だが何故かはまってしまう。前曲よりアップ・テンポな2「アイソレーション(Isolation)」は、硬質なドラムからスタートするポップな曲かと思ったら、やっぱりイアンのヴォーカルを聴くと明るさは微塵もない。

3「パスオーヴァー(Passover)」もミドル・テンポなのだが異常な暗さが漂っている。4「コロニー(Colony)」も延々と同じリズムを刻むドラムが病み付きになる。5「エイ・ミーンズ・トゥ・アン・エンド(A Means to an End)」も同じリズムを延々とドラムが刻むが、ここではギターのメロディがすばらしい。

6「ハート・アンド・ソウル(Heart and Soul)」もワン・パターンのドラムに、イアンのヴォーカルが地底から聞こえてくるような暗さを倍増させている。7「24時間(Twenty Four Hours)」は若干最後のほうにテンポがアップして盛り上がりを見せる。8「ジ・エターナル(The Eternal)」はこのアルバムで一番スロー・テンポで、一番暗いナンバーで一番リピートして聴いた曲だ。ラストの「デケイズ(Decades)」はシンセサイザーの音が特徴的で、最後を飾るにふさわしい綺麗なメロディだ。

とにかくこのアルバムはCDでリピート再生することをオススメする。夏の暑い日に延々とこのアルバムを聴いて、体は熱いのになぜか心の底が寒いような感じを味わったことを思い出す。これだけ暗いと書いて、誰か聴きたい人はいるのだろうかと疑問には思うところだが、この暗さは否定できないし、くせになる。そしてこの作品はイアン・カーティスの死後に発売されているというのが、何か感慨深いものがある。

最後にイアン・カーティスの生涯を描いた映画を挙げておこう。この映画が作られたことにも驚いたが、日本の劇場で公開されたというのにもさらに驚いた。



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