2014年05月20日

サンダー・マックイイーンのスタンド、ハイウェイ・トゥ・ヘルの元ネタ オーストラリアのハード・ロック・バンド AC/DCのアルバム『地獄のハイウェイ(Highway To Hell)』

自殺未遂の常習者サンダー・マックイイーンのスタンド『ハイウェイ・トゥ・ヘル』の元ネタは、オーストラリアのハード・ロック・バンド、AC/DCのアルバム『地獄のハイウェイ(Highway To Hell)』。

第2部のエシディシの時にはサラッと触れたのでもう一度。1963年にスコットランドのグラスゴーからオーストラリアのシドニーに移り住んできたマルコムとアンガスのヤング兄弟によって1973年に結成された、現在も活動を続ける息の長いハード・ロック、ヘヴィ・メタル・バンドがAC/DCである。ちなみにこの兄弟のさらに上に兄がいて、そのジョージ・ヤングは世界的なヒット曲「Friday on My Mind」(オーストラリアのチャートで1位、全米チャートで最高16位)をもつイージービーツ(The Easybeats)というロック・バンドのリード・ギタリストとして活躍していた。そんな兄の影響もあって、自分たちもジョージを超えるヒット曲を出すという強い信念を持って活動を始める。

アンガスのリードギターとマルコムのリズムギターに加えて、ベースにラリー・ヴァン・クリート、ヴォーカルにデイヴ・エヴァンス、ドラムにコリン・バージェスという5人でAC/DCとしての活動をスタートさせたのが1973年の11月で、その年の12月31日に初ライヴを行っている。そしてオーストラリアのローカルレーベル「Albert Records」と契約するも、この頃はヤング兄弟以外はなかなかメンバーが安定せず、ドラマーのコリンは数週間しか在籍していない。

そして74年の4月にヴォーカルのデイヴ・エヴァンスに代わって新加入したのが、バンドの機材車の運転手をしていたボン・スコットである。翌75年1月にようやく1stアルバム『ハイ・ヴォルテージ(High Voltage)』をリリースする。12月には早くも2ndアルバム『T.N.T』をリリースする。この時のメンバーがアンガス兄弟に、ボン・スコット、ベースにマーク・エヴァンス、ドラムにフィル・ラッドという5人である。

1976年にはアトランティック・レコードと世界規模の契約を結び、レインボー、キッス、エアロスミスといったビッグ・バンドの前座を務めるようになり、一躍名前が世界に知られることになる。そしてこの年に『悪事と地獄(Dirty Deeds Done Dirt Cheap)』、翌77年に『ロック魂(Let There Be Rock)』、さらに翌78年に『パワーエイジ(Powerage)』とコンスタントにアルバムを発表するがチャート的には振るわなかった。

そして彼らの名を決定的にしたのが79年に発売された、今回の元ネタになっている『地獄のハイウェイ(Highway to Hell)』である。アメリカ・ビルボードで最高17位を記録し、売り上げも現在では全世界で700万枚以上というビッグ・ヒットに。そしてこの作品がヴォーカル、ボン・スコットの遺作となってしまう。彼は翌80年2月に突然亡くなってしまう。

とにかく1「地獄のハイウェイ(Highway to Hell)」の魅力に尽きる。非常にノイジーなギターとタイトなドラムで始まるミドル・テンポの楽曲で、サビの”Highway to Hell”はみんなで合唱できるほど覚えやすいメロディだ。そして2分10秒辺りからのギター・ソロに続いての大合唱を聴いていると、つい口ずさんでしまう。そして2「女たちのリズム(Girls Got Rhythm)」のちょっとテンポ・アップした曲が、執拗に同じギター・リフを刻みながら続いていく。次の3「地獄の絆(Walk All Over You)」はテンポが遅くなったり早くなったりするが、3分30秒辺りから始まるギター・ソロの疾走感はたまらない。一転して抑えた感じのヴォーカルから始まる4「タッチ・トゥー・マッチ(Touch Too Much)」はちょっと他の曲と違う雰囲気がある。そしてロックン・ロールのような5「闇から追い出せ(Beating Around the Bush)」に入っていく。6、7、8はちょっとマンネリを感じさせる同じようなリズムが続くがタイトなドラムは心地いい。6「ショット・ダウン(Shot Down in Flames)」は名曲と書かれていたりするが個人的にはちょっとインパクトに欠ける。そして9「ハングリー・マン(Love Hungry Man)」もサビが覚えやすく親しみやすい仕上がりだ。そしてラストを飾る10「夜のプローラー(Night Prowler)」はブルージーなギターが冴える、彼らの幅の広さを実感できる佳曲だ。

この後、さらに売り上げが爆発する『バック・イン・ブラック(Back in Black)』を、新ヴォーカル、ブライアン・ジョンソンを迎えて発表する。この2枚は誰もが認めるロックの名盤ではないだろうか。


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