2014年05月21日

エンポリオ・アルニーニョのスタンド、バーニング・ダウン・ザ・ハウスの元ネタ トーキング・ヘッズの「バーニング・ダウン・ザ・ハウス」

母親をプッチ神父に殺されて刑務所にこっそりと住んでいる少年エンポリオ・アルニーニョのスタンド「バーニング・ダウン・ザ・ハウス」の元ネタは、トーキング・ヘッズ(Talking Heads)の5thアルバム『スピーキング・イン・タンズ(Speaking In Tongues)』の1曲目「バーニング・ダウン・ザ・ハウス(Burning Down The House)」。

トーキング・ヘッズはティッツアーノの回に触れたので、今回はその続きを。1980年に最高傑作『リメイン・イン・ライト(Remain in Light)』を発表した彼らは、ゴスペル・シンガーやソウル、ファンク系のミュージシャンを加えた大所帯でツアーを行う。その時の模様が82年に発表されたベスト盤的なライヴ・アルバム『實況録音盤(Name of This Band Is Talking Heads)』の2枚目に収録されている。しかしバンド自体の活動は停止状態になる。その間にデヴィッド・バーンはブライアン・イーノとコラボレーション盤『マイ・ライフ・イン・ザ・ブッシュ・オブ・ゴースツ』を出したり、クリス・フランツとティナ・ウェイマスはトム・トム・クラブ(Tom Tom Club)を結成したり、ジェリー・ハリスンはソロ・アルバム『赤と黒』を発表したりとバンド以外の活動をするようになる。やはりあまりにも完成度の高い作品を発表してしまうとバンドは行き詰ってしまうのだろうか。

そして前作から少しブランクを開けて発表されたのが、今回の元ネタになっている1「バーニング・ダウン・ザ・ハウス(Burning Down The House)」が収録された彼らの5枚目のスタジオ・アルバム『スピーキング・イン・タンズ(Speaking In Tongues)』である。この作品は前作までのプロデューサー、ブライアン・イーノから離れて彼ら自身がプロデュースしている。そしてこの元ネタ曲は彼ら最大のヒットを記録する。全米ビルボード・シングル・チャートで最高9位に、アルバムも全米15位、全英21位を記録する。

「バーニング・ダウン・ザ・ハウス」は、彼らの最大のヒット曲ではあるが、トーキング・ヘッズを聴きなれていない人が聞くとはっきり言って「なんじゃこりゃ?」と思うかもしれない。ミドル・テンポのダンス・ビートに、個性的なシンセサイザーのサウンドが絡む彼ら独特の世界観である。この曲が全米9位を記録するとはアメリカはなんて懐の深い国なんだと驚かされたものだ。日本では間違いなくこんな曲はヒットしないだろう。他の曲でも思ったことだが、相変わらずのデヴィッド・バーンの貧弱なヘロヘロのヴォーカルが逆にこのサウンドにピッタリと合っている。個人的には3「ガールフレンド・イズ・ベター(Girlfriend Is Better)」が一番のお気に入りだ。ここでも独特のシンセが冴え渡り、テンポもよくてノリがいいしみんなのコーラスがいい。他には、どこかアフリカを感じさせる7「ムーン・ロックス(Moon Rocks)」などが好きだが、前作の完成度からすると少し落ちるがそれでも並みのアルバムではない。ちょっと文字にして伝えるのが難しいサウンドというのが正直な感想だ。とにかくこの作品はパーカションとシンセサイザーの独特なサウンドが決定的な魅力である。

ちなみにこの作品は発売当時、透明なジャケットに透明なレコードが封入されているという一風変わったアルバムであった。2009年にCDでも再現されていたが、やっぱりレコード盤の質感は表現できていなかったような気がする。


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