2014年06月02日

ナルシソ・アナスイのスタンド、ダイバー・ダウンの元ネタ アメリカのハード・ロック・バンド ヴァン・ヘイレン『ダイヴァー・ダウン(Diver Down)』

猟奇殺人鬼の男囚ナルシソ・アナスイのスタンド「ダイバー・ダウン」の元ネタは、アメリカのハード・ロック・バンド、ヴァン・ヘイレン(Van Halen)の5thアルバム『ダイヴァー・ダウン(Diver Down)』。

ヴァン・ヘイレンの前身は、ギターのエドワード・ヴァン・ヘイレンが16歳の時にドラマーの兄アレックス・ヴァン・ヘイレンとで結成したマンモスというバンドである。彼らはアマチュア・シーンで注目を集めるようになり、そして彼らと人気を二分するバンド、レッド・ボール・ジェッツのヴォーカルとして活躍していたデイヴィッド・リー・ロスを引き抜き、さらにスネイクという3人組のバンドでベース兼ヴォーカルを担当していたマイケル・アンソニーを引き抜いて、1975年にバンド名をヴァン・ヘイレンと改める。

そして初代マネージャーのマーシャル・パールに出会い、彼にキッスのベーシスト、ジーン・シモンズを紹介され、ジーン・シモンズの資金援助によりデモテープを制作するが、その時はレコード会社との契約には至らず、1977年になって、当時レギュラー出演していたクラブでワーナーの社長と、敏腕プロデューサー、テッド・テンプルマンと出会い、ワーナー・ブラザーズと契約する。

そして1978年の1月にキンクスのカヴァー曲「ユー・リアリー・ガット・ミー」でデビューを飾り、2月には1stアルバム『炎の導火線(Van Halen)』を発表し、全米最高19位を記録して、あっという間に150万枚を、そして現在までに1000万枚以上売り上げている。その後79年には2ndアルバム『伝説の爆撃機(Van Halen U)』、翌80年に3rdアルバム『暗黒の掟(Women and Children First)』、翌81年に4thアルバム『戒厳令(Fair Warning)』と毎年コンスタントに良作を発表し、そしてさらに翌82年に発表されたのが、今回の元ネタになっている5thアルバム『ダイヴァー・ダウン(Diver Down)』である。このアルバムに先行して発売されたのが、リチャード・ギアとジュリア・ロバーツが主演した『プリティ・ウーマン』の主題歌としても有名なロイ・オービソン(Roy Orbison)の「オー・プリティ・ウーマン(Oh, Pretty Woman)」のカヴァーである。この曲は全米チャート12位を、アルバムも3位を記録して一般的に彼らの名前が知られるようになった作品ではあるが、ロック・リスナーからはあまり受けがよくない。特にエディのギターがらしくないのだ。

1曲目は、1stアルバムの「ユー・リアリー・ガット・ミー」に続いてのキンクスのカヴァー「グッド・タイムズ(Where Have All the Good Times Gone!)」であるが、オリジナルのほうが断然いい。他にも7のマーサ&ザ・ヴァンデラス、10、12のスタンダード・ナンバー、そして6のロイ・オービソンと12曲中5曲がカヴァー曲、そして残りの7曲中2曲がインストゥルメンタルという内容で、実質の彼ららしい曲が聴けるのが5曲という寂しい内容だ。しかし一般受けはしそうな聴きやすいアルバムではある。

第4部の音石明が得意としていた「ライトハンド奏法」を世界に知らしめたエディ・ヴァン・ヘイレンであるが、こんなスタンダード・ナンバーやカヴァー曲では彼の凄さがいまいち伝わってこないのが残念である。ちなみにライトハンド奏法は、日本のみ通用する呼び方のようで、現在では「タッピング奏法」というのが一般的だ。とにかく彼のギター・テクニックが、のちのギタリストに与えた影響は計り知れないものがある。ジミ・ヘンドリックスと同等ぐらいの衝撃度はあったはずだ。でもこのアルバムでは彼らしくないのが残念だ。


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