2014年07月22日

死体で発見されたレース参加者ポール・ルカサーの元ネタ アメリカのロック・バンド TOTOのメンバー スティーヴ・ルカサー

小ネタの3回目。スティール・ボール・ランの単行本3巻の「1st.STAGE 優勝失格」に登場するレース参加者の3人の死体の1人、ポール・ルカサーの元ネタは、アメリカのロック・バンド、TOTOのメンバー、スティーヴ・ルカサー(Steve Lukather)。

スティーヴ・ルカサーを説明するには2008年に一旦解散し、2010年に復活したバンド、TOTOに触れないわけにはいかないだろう。バンド名の由来は、メンバーの名前から来たものからラテン語を英語風に変えたもの、一時期は日本の便器メーカーから来たもの、映画『オズの魔法使い』に登場する犬の名前から来たものといろいろとあるが、メンバーそれぞれで言ってることが違ったり、時期によっても異なるので確かなものはわからない。バンドの母体となるものは、ジャズ・ドラマーでパーカッション奏者のジョー・ポーカロを父親にもつドラマーのジェフ・ポーカロが在籍していた、ルーラル・スティル・ライフというジミ・ヘンドリックスに影響を受けたようなバンドに、ジャズ・ピアニストで編曲家のマーティー・ペイチを父親にもつキーボード奏者のデヴィッド・ペイチが加入したことで始まる。当時二人ともまだ14歳であった。そしてジェフはバンド活動と並行してスタジオ・ミュージシャンとしても活動するようになる。そして少し年下のギタリスト、スティーブ・ルカサーは高校時代にジェフの弟でキーボード奏者のスティーヴ・ポーカロと知り合い、その関係でルーラル・スティル・ライフに加入することに。

そしてジェフ・ポーカロは高校卒業後、男女デュオのソニー&シェールのツアーメンバーとして参加することになり、そこでのちのTOTOのベーシスト、デヴィッド・ハンゲイトと出会う。その後1973年に彼の演奏を聞いたスティーリーダンの2人に誘われて、彼らのツアーに同行することに。そしてマーク・ベッカーの時にも触れたように、『プレッツェル・ロジック』、『うそつきケイティ』の2枚のアルバムのレコーディングに、デヴィッド・ペイチと共に参加する。その頃ルーラル・スティル・ライフの他のメンバーもエルトン・ジョン、アレサ・フランクリン、アース・ウィンド・アンド・ファイアー、ジャクソン・ブラウンなどのセッションで活躍しいる。

そして1975年の名作、ボズ・スキャッグスの『シルク・ディグリーズ(Silk Degrees)』のレコーディングに参加したデヴィッド・ペイチ、ジェフ・ポーカロ、デヴィッド・ハンゲイトの3人はバンドを結成することに。ここでようやく1977年に誕生したのがTOTOである。オリジナル・メンバーは、上記3人に加えて今回の元ネタ、スティーヴ・ルカサー、スティーヴ・ポーカロ、そしてヴォーカルのボビー・キンボールである。

1978年にデビュー・アルバム『宇宙の騎士(TOTO)』を発表し、シングル「ホールド・ザ・ライン」が全米5位を記録し、アルバムも全米9位を記録している。しかし79年の『ハイドラ(Hydra)』が37位、81年の『ターン・バック(Turn Back)』が41位と、デビュー・アルバムのような結果は残せなかった。

そして1982年に発表されたのが、今回紹介する彼らの最高傑作『聖なる剣(TOTO IV)』である。この作品は彼らの人気を決定付けたと同時に、80年代を代表するアルバムになる。まさに「ザ・80年代」という感じだ。しかし一部では産業ロックと揶揄され正当に評価されていない時もある。ロック名盤を掲載した本を何冊か持っているが、意外と載っていなかったりする。しかし当時の彼らの勢いは凄まじいものがあった。10「アフリカ」が全米1位、1「ロザーナ」が2位、全英でも12位、3「ホールド・ユー・バック」が10位を記録する大ヒットに。ほかにも2「メイク・ビリーヴ」が30位、9「ユア・ラヴ」が73位と10曲中5曲もシングル・カットされている。 アルバムも全米4位を記録し、翌年83年に発表されたグラミー賞では、「ロザーナ」が最優秀レコード賞、アルバム『聖なる剣』が最優秀アルバム賞を獲得したほか、合計6部門を制覇する。

このように、アルバム通して聴くというより、すぐれたシングルが揃ったアルバムという感じでアルバムの統一感はあまりない。でもやっぱりこのアルバムは、「ロザーナ」と「アフリカ」に尽きると思う。個人的には「アフリカ」を何回聴いたかわからないぐらい大好きだ。特にボビーのハイトーン・ヴォーカルとバックのコーラスとのハーモニーは絶品だ。もちろん「ロザーナ」でもボビーの素晴らしいハイトーンを堪能できるが、こちらは「アフリカ」よりもバックが激しめで彼らの演奏テクニックを堪能するのに最適だ。特にスティーブ・ルカサーのギターがカッコいい。

他にもバラードの「ホールド・ユー・バック」で聴ける、どこか切ないルカサーのギターがたまらない。シングル・カットはされていないが、6「アフレイド・オブ・ラヴ」、7「ラヴァーズ・イン・ザ・ナイト」と続くハード・ロック路線もなかなか良く、サビがちょっと単純なのだが演奏が素晴らしい。さすがにスタジオ・ミュージシャンとして活躍しただけあって、全編通して演奏はまさに完璧と言っていいだろう。

余談だが「ロザーナ」は、当時スティーブ・ポーカロが交際していたアメリカの女優ロザンナ・アークエットから取り、デビッド・ペイチが作った曲だ。ちなみにロザンナは、リュック・ベッソン監督の名作『グラン・ブルー』や、『パルプ・フィクション』、『バッファロー'66』などに出演し、映画監督として2000年に『デブラ・ウィンガーを探して』が公開されている。


posted by captainhiltz at 22:32| Comment(0) | TrackBack(0) | ロック/ポップス その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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