2014年07月27日

マウンテン・ティムのスタンド、オー! ロンサム・ミーの元ネタ アメリカのシンガー・ソングライター ニール・ヤングがカバーした曲「オー・ロンサム・ミー(Oh, Lonesome Me)」

伝説のカウボーイ、マウンテン・ティムのスタンド「オー! ロンサム・ミー」の元ネタは、アメリカのカントリー・シンガー、ドン・ギブソンが1958年に発表し、全米7位を記録した曲「オー・ロンサム・ミー(Oh, Lonesome Me)」がオリジナルで、ジョジョ・ファンにはお馴染みのロギンス&メッシーナ(Loggins and Messina)が1975年のアルバム『ソー・ファイン(So Fine)』で取りあげている他、レイ・チャールズ(Ray Charles)、ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)、アメリカのフォーク・ロック・バンド、ボー・ブラメルズ(The Beau Brummels)などがカバーしているが、今回はアメリカのシンガー・ソングライター、ニール・ヤング(Neil Young)がカバーしたバージョンを挙げておこう。しかしニール・ヤングのバージョンは、オリジナルと大幅に違っており、ほとんど違う曲といってもいいだろう。オリジナルはカントリーっぽく軽快なリズムだが、ニール・ヤングは非常にスローなテンポでしみじみと歌っている。しかも歌詞も大幅に変更しており、2番をカットして、1番の次に2番をカットして4番を持ってきて、次に3番がきて最後にまた4番がくるというものだ。

ニール・ヤングは、第4部の重ちーの時に紹介しているので参考にしていただきたい。この「オー・ロンサム・ミー(Oh, Lonesome Me)」が収録されているアルバム『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ(After The Gold Rush)』は、重ちーの時に紹介した『ハーヴェスト』の前作にあたる。この2作の名作を続けて発表できるほど当時のニール・ヤングは乗りに乗っていたということだ。さらにこの時彼は、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングのメンバーでもあり、名作『デジャ・ヴ』を発表している。その『デジャ・ヴ』が発表されたのが1970年の3月、そして『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』が発表されたのが同じ年の8月である。しかも『デジャ・ヴ』は全米1位、『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』は全米8位を記録する大ヒットに。この事実を知るだけでも彼の充実ぶりがうかがえるだろう。そして今でも活躍しているというのだから驚きだ。

ゴールドラッシュとは、大雑把に言えば1850年代にアメリカで起こった一攫千金のことで、スティール・ボール・ランはその後の1890年に行なわれているレースで、このシリーズにピッタリのアルバム・タイトルだ。だから荒木飛呂彦氏もこのアルバムを聴きながら描いたのかなということで、「オー・ロンサム・ミー」のバージョンとしてニール・ヤングのものを挙げた次第だ。しかし2曲目に収録されているタイトル・トラックがこの時代のことを直接歌っているわけではなく、歌詞は抽象的で私にはいまいち理解できない。

1「テル・ミー・ホワイ(Tell Me Why)」は、他の曲にくらべて弱冠テンポのあるアコースティック・ギター1本の弾き語りで、オープニングとしては地味だがしみじみとしていていい。そして2曲目のタイトル・トラックは、ほとんど彼のピアノの弾き語りで、中間部分にホルンが入る程度だ。その分ここでは彼の特徴である、ちょっと不安定なヴォーカルを堪能できるが、決して唄はうまくない。3「オンリー・ラヴ(Only Love Can Break Your Heart)」もアコースティック色が濃く、ヴォーカルのハーモニーが素晴らしく、シングル・カットもされて全米で最高33位を記録している。この渋さを考えると健闘したほうだろう。

そして4曲目に、このアルバムで一番激しいギターが聞ける名曲「サザン・マン(Southern Man)」がくる。ここでのギターの音色は、のちの彼のスタイルにも通ずるものがある。個人的にはこのアルバムでのベスト・トラックだ。うってかわってほのぼのとした雰囲気の1分ちょっとの「やがて朝が(Till The Morning Comes)」がきて、6曲目が今回の元ネタになっている「オー・ロンサム・ミー」だ。最初のハーモニカを聞くと、ほのぼのとした西部劇を思い浮かべる。

そしてスローなテンポのヴォーカルをしっかりとしたピアノとドラムが支える7「ブリング・ユー・ダウン(Don't Let It Bring You Down)」。ピアノの弾き語りで、コーラスと美しい旋律を歌いあげるバラードの名曲8「バーズ(Birds)」。アルバム中でもっともポップでロックな9「アイ・キャン・リアリー・ラヴ(When You Dance I Can Really Love)」。こちらもシングル・カットされるが、最高93位に終わる。そして「ボクは君を信じている」と切々と不安定なヴォーカルで歌う10「アイ・ビリーヴ・イン・ユー(I Believe In You)」。ラスト「壊れた渡し船(Cripple Creek Ferry)は1分30秒ほどでフェイドアウトしていき、アルバムの最後を飾るにふさわしい雰囲気だ。

改めて聴くとやっぱり、しみじみとしていいアルバムだなぁと実感した。心に染み渡るような作品である。『ハーヴェスト』と比較しても甲乙つけがたい、ロック史に残る名盤だ。


この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。