2014年08月03日

ブンブーン一家の元ネタ アメリカのブルース・シンガー、ギタリスト ジョン・リー・フッカーの楽曲「ブーン・ブーン(Boom Boom)」

今回は間違っていると思うが、どうしてもこの名前を見るとこの曲を思い出してしまうので、ちょっと強引にブンブーン一家のファミリー・ネームの元ネタとしてアメリカのブルース・シンガーでギタリストのジョン・リー・フッカー(John Lee Hooker)の代表曲「ブーン・ブーン(Boom Boom)」を挙げておきたい。

「ブーン・ブーン」を作ったジョン・リー・フッカーは、1917年8月にアメリカはミシシッピ州のクラークスデイルに生まれ、その後母親が再婚したブルース・マンにギターを習い、15歳の時に家を飛び出しいろんな職を転々としながら放浪し、1943年にデトロイトに行き着き、昼は働きながら夜はクラブに出演する生活を送る。

そして1948年にプロデューサーのバーニー・ベスマンと組んで、モダン・レーベルからデビュー曲「Boogie Chillen」を発表し、見事R&Bチャートで1位を記録し全国的に大ヒットする。その後もバーニーとのコンビで「Hobo Blues」、「Hoogie Boogie」など数々の名曲を残す。

しかしこの頃はモダンとの契約に縛られて思うように活動できず、変名でいろんなレーベルから大量に曲を発表している。例えばテキサス・スリム、デルタ・ジョン、ジョニー・ウィリアムズ、他にもふざけたところでジョン・リー・クッカー、ジョン・リー・ブッカーなどがある。

この変名での活動を仕掛けたのが、バーニーに対抗して現れたプロデューサー、ジョー・ヴォン・バトルであり、他にも何人かが手がけ多くのレーベルから曲を発表している。ジョー・ヴォン・バトルとのコンビでキング・レーベルから「Moaning Blues」、「I'm Gonna Kill That Woman」などの名曲を発表し、これらは名作『Sings Blues』に収録されている。このアルバムは真珠のジャケットが非常に有名で、少し前までは輸入盤で手に入ったのだがなぜか今は入手困難であるので、ぜひ再発を期待したい。

そしてゴッサム・レーベルでは「House Rent Boogie」などの名曲を残している。さらにマディ・ウォータース、ハウリン・ウルフといったブルース界の巨人が在籍したチェス・レコードにも曲を残し、同じ頃1951年にはモダンから「I'm In The Mood」を発表し、再びR&Bチャートで1位を獲得する。

そしてようやくモダンとの契約が切れた1955年にヴィージェイ・レーベルと契約し、変名での活動にも終止符が打たれる。このレーベルには65年まで在籍し、合計8枚のアルバムを発表している。そしてこの在籍時の1961年に発表したのが「ブーン・ブーン」である。この曲はR&Bチャートで16位、ポップ・チャートでも60位を記録し、ジョン・リー・フッカー最大のヒット曲となり、その後のアーティストにも影響を与え、特にイギリスのロック・バンド、アニマルズ(The Animals)がカバーしたバージョンはよく知られている。2012年公開の映画『007 スカイフォール』にもアニマルズ・バージョンのこの曲が使用されたので、そこで初めて耳にした人もいるかもしれない。彼らのバージョンはオルガンが効果的に使用されてカッコいいが、エリック・クラプトンが在籍していた時代のイギリスのロック・バンド、ヤードバーズ(The Yardbirds)のブルース・ハープが印象的なバージョンも捨てがたい。エリック・クラプトンはソロでもこの曲をカバーしている。しかしやっぱり本家のジョン・リー・フッカーの魅力には勝てないだろう。曲としては非常に単純でひたすら1コードで押しまくる彼特有のサウンドだ。彼の野太いヴォーカルがブルースにピッタリとあっている。夏に聞けばより暑さを増しそうな彼の音楽だが、なぜか夏に聴きたくなる。

その後70年代半まではコンスタントに作品を発表するが、そのペースが衰えて新作から遠ざかるが1980年には映画『ブルースブラザーズ』にチョイ役で出演するが、その存在感を見せ付けた。そして1989年にはゲスト陣にカルロス・サンタナ、ボニー・レイット、ロス・ロボスらを迎えて『Healer』を発表し、この作品は見事グラミー賞を獲得し、翌1990年にはロックの殿堂入りを果たすことに。その後も2001年に老衰で亡くなるまで活躍し、特に私の大好きなアーティスト、ヴァン・モリソン(Van Morrison)との交流は深く、1972年の『Never Get Out Of These Blues Alive』、95年の『Chill Out』、97年の『Don't Look Back』とヴァン・モリソンが参加し、93年発表のヴァン・モリソンのアルバム『Too Long In Exile』にはジョン・リー・フッカーが参加とかなりの親密度だ。

ちなみにヴァン・モリソンとはアイルランド出身のシンガー・ソングライターで、かつてはゼム(Them)というロック・バンドで活躍した。バンド解散後はソロとして孤高の世界を築いており、ブルー・アイド・ソウルと呼ばれるその黒いヴォーカルは、人の心に感動を与える。飛行機が嫌いらしく来日したことがないのが残念でならない。日本では「来日していない最後の大物アーティスト」と呼ばれることがある。私の好きなイギリスのバンド、ザ・フー(The Who)もかつてはそのように呼ばれたが、2004年に初来日を果たした。しかし残っていたオリジナル・メンバーは4人中2人だけだったが。

ちょっと話が逸れたが、多少強引な感じがしないでもない今回ではあるが、ぜひこの機会に彼の暑苦しいブルースを聞いてみて欲しい。


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