2014年08月06日

オエコモバとスタンド、ボクのリズムを聴いてくれ(Oye Como Va)の元ネタ アメリカのロック・ギタリスト サンタナがカバーした楽曲「僕のリズムを聞いとくれ(Oye Como Va)」

大統領がさしむけた、ジャイロ・ツェペリを狙う刺客オエコモバと彼のスタンド「ボクのリズムを聴いてくれ(Oye Como Va)」の元ネタのオリジナルは、「ラテンの王様」、「ティンバレスの王様」とも呼ばれたアメリカのミュージシャン、ティト・プエンテ(Tito Puente)が1950年代に発表したラテン音楽を代表する名曲「Oye Como Va」だが、ジョジョで取りあげているのはおそらくアメリカのラテン・ロック・バンド、サンタナ(Santana)がカバーした楽曲「僕のリズムを聞いとくれ(Oye Como Va)」だろう。

サンタナの『天の守護神(Abraxas)』は第2部の柱の男サンタナの時に取りあげているが、今回はもう少し詳しく紹介しよう。

ラテン・ロック・バンド、サンタナの中心人物カルロス・サンタナは、1947年の7月にメキシコのハリスコ州アウトラン・デ・ナヴァロに生まれ、父親がメキシコを代表する楽団の様式であるマリアッチのヴァイオリン奏者で、伯父がブルース・ギタリストという音楽的には恵まれた環境で育ち、幼い頃よりバイオリンの英才教育を受けるが14歳の頃よりギターを弾き始める。ちなみに父親はサンタナが1983年に発表したソロ・アルバム『ハバナ・ムーン』に参加している。

そして1962年にアメリカはカリフォルニア州のサンフランシスコに移住した彼は、その後66年にサンタナ・ブルース・バンドを結成する。翌67年にはサンフランシスコにあるロックの聖地フィルモアに出演し、そこのオーナーでプロモーターのビル・グラハムから「もっと自分たちの色を出すように」とのアドバイスをもらい、ラテン音楽を取り入れた、彼ら独特の唯一無二のサウンドを生み出し、フィルモアで評判の存在となる。

そして1969年にコロムビア・レコードと契約し、これを機会にバンド名もシンプルなサンタナと改める。同年8月にはあの伝説の音楽の祭典「ウッドストック・フェスティバル」に出演し、レコードデビュー前の彼らの演奏が観客に強烈なインパクトを与えた。そして同月デビュー・アルバム『サンタナ(Santana)』を発表し、シングル・カットされた「イヴィル・ウェイズ(Evil Ways)」が全米チャート9位を記録し、アルバムも全米4位を記録し、108週にわたってチャート・インするというロング・セラーになり、売り上げも200万枚を超える大ヒットに。

そして翌1970年10月に発売されたのが、今回の元ネタになっている「僕のリズムを聞いとくれ(Oye Como Va)」が収録された、彼らの最高傑作との呼び声が高い2ndアルバム『天の守護神(Abraxas)』である。内容もさることながら、結果も前作以上のものを残している。まず全米チャートで1位を獲得し、6週間その座に居座り、売り上げも400万枚以上を売り上げるビッグ・ヒットに。この作品は全9曲中5曲がインストゥルメンタルで、ちょっとフュージョンのような雰囲気をもっている。特に1曲目の「風は歌い、野獣は叫ぶ(Singing Winds, Crying Beasts)」は、ジャズの帝王マイルス・デイヴィスが同年の4月に発売した2枚組超大作『ビッチェズ・ブリュー(Bitches Brew)』と同じような雰囲気をかもし出している。おそらく発売したばかりの『ビッチェズ・ブリュー』をサンタナは聴いていたのだと思う。その証拠に当時のインタビューでもマイルスの影響を口にしているのだ。

さらにサンタナは、71年のフィルモア・ウェストで開かれた「フィルモア最後の日」と銘打たれたコンサートでマイルスの「イン・ア・サイレント・ウェイ」を披露している。この曲はジョジョ・ファンにはおなじみだろう。第7部スティール・ボール・ランに登場するサンドマンのスタンド名の元ネタだ。このサンタナのバージョンは、彼らの3rdアルバム『サンタナV』の2枚組レガシー・エディションの2枚目に収録されているので興味のある人は聞いてみてほしい。

さらにサンタナは、72年に『ビッチェズ・ブリュー』、『イン・ア・サイレント・ウェイ』でも見事なギターを披露したジョン・マクラフリンと連名で『魂の兄弟たち(Love Devotion Surrender)』という素晴らしいアルバムを発表している。

さらに決定的なアルバムが1980年に発表したサンタナのソロ・アルバム『スイング・オブ・デライト(Swing of Delight)』だ。ここで共演しているのが、かつてマイルス・バンドにいたウェイン・ショーター、ハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスという超強力なメンバーである。このようにマイルスと非常に関係が深いのだ。話がかなり逸れてしまったが、1曲目を聴くとマイルスを思い起こさせるというのもあながち嘘ではないと思って頂けるだろう。

2曲目はイギリスのブルース・バンド、フリートウッド・マックのカバー曲「ブラック・マジック・ウーマン(Black Magic Woman)」で、平凡だったオリジナルがサンタナの手によって名曲に変わっている。そして次にくるのが、今回の元ネタ「僕のリズムを聞いとくれ(Oye Como Va)」で、オリジナルとそれほど大差はないようなラテン色の濃い仕上がりになっている。この後2曲インストが続く。まず4「ネシャブールのできごと(Incident at Neshabur)」ではグレッグ・ローリーのキーボードが特に素晴らしい。彼はのちにサンタナの3rdアルバム『サンタナV』から参加したニール・ショーンとともにジャーニーという80年代を代表するバンドを結成する。5「全ては終わりぬ(Se a Cabo)」では、もちろんサンタナのギターもいいが、ここではとくにパーカションが素晴らしいサウンドを聴かせてくれている。

続くヴォーカル入りの「マザーズ・ドーター(Mother's Daughter)」は、個人的にはあまり好きではない。もっとバックのサウンドを聴きたくなるのが正直なところだ。次の7「君に捧げるサンバ(Samba Pa Ti)」はサンタナの哀愁あるギターに尽きる。ギターをまるで歌っているかのように弾くそのテクニックには脱帽だ。8「ホープ・ユー・アー・フィーリング・ベター(Hope You're Feeling Better)」もヴォーカル入りだが、はっきり言って余分に感じる。サビのフレーズがちょっと単純だ。バックのサウンドがカッコいいだけに勿体ない。最後を飾る1分半の「エル・ニコヤ」は、ラテンというよりどこかアフリカを思わせるパーカッションが強烈で、もっと聴いていたいと思わせる。アルバム・トータルでいうと、カバー曲以外はインストのほうが断然カッコいい。


posted by captainhiltz at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ロック/ポップス サンタナ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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