2014年08月14日

ガウチョの元ネタ アメリカのバンド スティーリー・ダンのアルバム『ガウチョ(Gaucho)』

スティールボールランのレース参加者で、ファニー・ヴァレンタインが送り込んだ刺客リンゴォ・ロードアゲインに殺されるガウチョの元ネタは、アメリカのバンド、スティーリー・ダン(Steely Dan)が1980年に発表した7thアルバム『ガウチョ(Gaucho)』。

スティーリー・ダンの説明は、ジョジョの奇妙な冒険第7部スティール・ボール・ランのマーク・ベッカーの時に経歴などを紹介しているのでそちらを、そしてアルバム『ガウチョ』の説明は、第3部の「鋼入りのダン(スティーリー・ダン)」の時に製作過程や参加メンバーなどは紹介しているので参考にして頂きたい。

年代的には1977年に発表した彼らの最高傑作とされる大ヒット・アルバム『エイジャ』の3年後に発表されており、この後彼らは長い活動休止状態に入るので当時はラスト・アルバムだと思われていた作品だ。一応ここまででスティーリー・ダンは完結していると言っていいだろう。

肝心の内容のほうだが、まず1曲目の「バビロン・シスターズ(Babylon Sisters)」はスロー・テンポというほどではないが、ややゆったりとした雰囲気の中にレゲエの要素をうまく取り入れた名曲に仕上がっている。サウンド的には一流ミュージシャンばかりだが、その中でも特筆すべきはバーナード・パーディのドラムだろう。彼はかつてキング・カーティスやアレサ・フランクリンのバック・バンドでドラマーを務めるなど、そのセッション・ワークはソウル、R&B、ロック、ジャズ、フュージョンと多岐に渡っている。他にもローリング・ストーンズやジェームス・ブラウンなどと共演している。これらのアーティストを満足させるドラマーだけあって、とにかく「上手い」の一言だ。あとサビのメロディでの女性のコーラスが非常にきれいで聞きほれる。

2「ヘイ・ナインティーン(Hey Nineteen)」は、シングル・カット曲で全米10位を記録している。ドラムもほぼ一定のリズムを刻んでいるし、ギターのカッティングも必要最低限で曲として決して派手さはないがミドル・テンポのリズムが耳に心地いい。

続く3「グラマー・プロフェッション(Glamour Profession)」はちょっとテンポがアップして、このアルバムで最長の7分を超える大作だ。個人的には後半に聞けるジャズ・ギターのようなソロが大好きだが、中間の3分半辺りで聞けるピアノ・ソロも聞き所だ。ただ30秒ほどと短いのがもったいない。

そして4曲目がタイトル・トラックの「ガウチョ(Gaucho)」だが、これがジャズ・ピアニスト、キース・ジャレットに訴えられたという曲だ。キースが1974年に発表したアルバム『Belonging』の中の「Long as You Know You're Living Yours」を聞くと、「そりゃ訴えられるわな」と思ってしまうほどのソックリ度。スティーリー・ダンの中心人物ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーはキース・ジャレットに捧げるつもりで書いたらしいが、あまりにも似すぎていた。たっぷりと間を取ったスローなテンポのグルーヴ感が、体を自然に動かす。サックスから始まり最後のほうになってコーラスで盛り上がっていくスケールの大きさを感じさせる楽曲だ。

5「タイム・アウト・オブ・マインド(Time Out of Mind)」では一転して軽快なリズムが聞ける。その分ちょっとグルーヴ感がなく、あっさりとした印象を受ける。ギターを、ジョジョ・ファンにはおなじみのダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーが弾いているが、彼独特のあのサウンドは鳴りを潜めている。

続く6「マイ・ライヴァル(My Rival)」はイントロの暗い音がちょっとビックリさせるが、すぐにいつもの溜めの効いたスティーリー・ダン節が始まり安心する。最後まで淡々としたリズムが続きフェイド・アウトしていくので、このアルバムの終わり、あるいは彼らスティーリー・ダンの終わりが近づいていることを思わせる。

最後を飾る「サード・ワールド・マン(Third World Man)」は、このアルバムの中で少々違和感を感じる物悲しげなサウンドだ。それもそのはずこれは前作の『エイジャ』の時のセッションの曲で、結局はボツになった楽曲だ。ここで泣きのギターを弾いているのが、1970年代にフュージョン・グループ、ザ・クルセイダーズ(The Crusaders)で活躍したギタリスト、ラリーカールトン(Larry Carlton)だ。この作品で1番ロックっぽいギターを聞かせている。

この後バンドは休止状態になり、2000年にようやく20年ぶりとなるアルバム『トゥー・アゲインスト・ネイチャー(Two Against Nature)』を発表し、全米6位を記録するヒットになり、グラミー賞も4部門を獲得して健在ぶりをしめした。その後2003年にもアルバム『エヴリシング・マスト・ゴー(Everything Must Go)』を発表している。


この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。