2014年08月15日

ガウチョの愛馬ペグの元ネタ アメリカのロック・バンド スティーリー・ダン(Steely Dan)の楽曲「ペグ(Peg)」

スティールボールランのレース参加者で、ファニー・ヴァレンタインが送り込んだ刺客リンゴォ・ロードアゲインに殺されるガウチョの愛馬「ペグ」の元ネタは、アメリカのロック・バンド、スティーリー・ダン(Steely Dan)が1977年に発表した最高傑作『エイジャ(Aja)』の4曲目「ペグ(Peg)」。

たびたび出てくるスティーリー・ダンの説明はジョジョの奇妙な冒険第7部スティール・ボール・ランのマーク・ベッカーの時に経歴などを紹介しているのでそちらを参考にして頂くとして、今回の元ネタ曲「ペグ」収録のアルバム『彩(エイジャ)』は第2部戦闘潮流のエイジャの赤石の時に軽く触れているが、今回はもう少し詳しく解説しておこう。

発表されたのは1977年の9月であるが、その前の彼らの状況はと言えば、マーク・ベッカーの時に紹介した74年発表の3rdアルバム『プレッツェル・ロジック』の後ギターのジェフ・バクスターとドラムのジム・ホッダーが脱退し、ドナルド・フェイゲン、ウォルター・ベッカーそしてデニー・ダイアスという3人グループになってしまい、前作よりさらにゲスト・ミュージシャンを大量投入した4thアルバム『うそつきケイティ(Katy Lied)』を75年に発表し、全米、全英ともに13位を記録する。そして翌76年に5thアルバム『幻想の摩天楼(The Royal Scam)』が全米15位、全英11位と確実にヒットさせていく。ゲスト・ミュージシャンも前作から参加し始めたギターのラリー・カールトンを筆頭に前作を上回る人数が参加している。

そして翌1977年にようやく彼らの最高傑作との呼び声が高い『彩(エイジャ)』の発売となる。内容的にはほぼ完璧と言っていい作品だが、チャートは残念ながら全米3位、全英で5位と首位獲得にはならなかったが、グラミー賞を獲得し、彼らの作品の中で最も商業的に成功したアルバムとなる。ここではスティーリーダンのメンバーは、ついにドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーの2人だけになってしまう。その分過去最高の人数のゲスト・ミュージシャンが参加している。

主なメンバーを挙げると、ザ・クルセイダーズで活躍したラリー・カールトンはもちろんのこと、ジャズ・ドラマーでスタジオ・ミュージシャンでもあるスティーヴ・ガッド。ビートルズのメンバーやローリング・ストーンズ、エリック・クラプトン、ボブ・ディラン、ニール・ヤング、エルヴィス・コステロなど超一流ミュージシャンと共演歴のあるドラマーのジム・ケルトナー。ドゥービー・ブラザーズやソロとしても活躍したヴォーカリストのマイケル・マクドナルド。クインシー・ジョーンズ、アレサ・フランクリン、シュープリームス、サム・クックなどソウル、R&Bを中心とした多くのミュージシャンと共演歴のあるベーシスト、チャック・レイニー。ラリー・カールトンと合作を作ったこともあるフュージョン界を代表するギタリスト、リー・リトナー。ザ・クルセイダーズおよび前身のジャズ・クルセイダーズの結成時メンバーのピアニスト、ジョー・サンプル。ポコやイーグルスで活躍したベーシスト、ティモシー・B・シュミット。アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ、マイルス・デイヴィス・クインテット、ウェザー・リポートと超一流グループを渡り歩いたテナー・サックス奏者、ウェイン・ショーター。このようにすごいメンツがズラリと並び、他にも腕に覚えのあるミュージシャンばかりがバックを支えている。

1曲目「ブラック・カウ(Black Cow)」は、溜めのあるドラムと力強いベースの音でゆったりと始まるスローなナンバーである。中間辺りでしっとりとしたエレクトリック・ピアノのソロが聞けたり、4分辺りから最後まで聞けるテナー・サックスがジャズ・フュージョンの雰囲気をかもし出していたりする。大音量でベースの音を聞くと気持ちよくなってくる。

続く2曲目がタイトル・トラックの「エイジャ(Aja)」で、このアルバム最長の8分近い大作曲。非常に綺麗でおだやかなピアノから始まり、力みのないヴォーカルがすぐに入ってくる。そして2分辺りからのインストゥルメンタルではどこか南国的なイメージがする独特のサウンドに素晴らしいギターが絡み合い、4分半辺りからのウェイン・ショーターのテナー・サックスとスティーヴ・ガッドのドラムとのバトル、そして最後フェイド・アウトしていく1分ほどのドラム・ソロは凄まじく、歴史に残るプレイだと思う。

3「ディーコン・ブルース(Deacon Blues)」は、派手さはないがよく聞くといい仕事をしているラリー・カールトンのギターがどこか哀愁を帯びている。中間辺りで素晴らしいテナー・サックスが聞けるが、ヴォーカル、コーラスも完璧で、歌と音がうまく調和が取れている。イギリスにはこの曲からバンド名を取った、ディーコン・ブルーというバンドがいるほどでこの曲を好きな人は結構いるのではないか。

そして次にくるのが今回の元ネタになっている4「ペグ(Peg)」で、さすがにこのアルバムの1stシングルになっているだけあって非常にポップでテンポも軽快で小気味いい。チャートでも11位という好成績を残している。マイケル・マクドナルドがコーラスで参加しているが、非常に難しくて苦労したらしい。そしてギター・ソロは伝説となっているジェイ・グレイドンのものだ。なぜ伝説かというと、彼の前に6人もの一流ギタリストが演奏したにもかかわらずスティーリー・ダンの2人は納得せず、彼の演奏が採用されたから語り草になっている。曲としてはコンパクトにまとまった小品だ。

続く5「安らぎの家(Home at Last)」は曲としては地味だが、次作『 』でも素晴らしいドラムを聞かせるバーナード・パーディのドラミングをたっぷりと堪能して欲しい。聞けば聞くほど彼のグルーヴ感のあるドラムはカッコいいと思うようになってくる。

そして次が個人的にこのアルバムで1番好きな曲である6「アイ・ガット・ザ・ニュース(I Got the News)」だ。この曲が好きというより、この曲でのラリー・カールトンのギター・ソロと時折あらわれるピアノのソロが大好きなのだ。リズムを引っ張るのは、ほぼ一定のフレーズ延々とくりかえすベースだ。小品ながらなかなかドライヴ感があってカッコいい。

ラストを飾る7「ジョージー(Josie)」は、軽快なギター・フレーズがこの曲のすべてだ。3人のギターによって奏でられているこのフレーズを考え出しただけで、この曲は彼らの代表曲の1つになったのではないだろうか。ギター・ソロも聞けるがやっぱりこの独特のフレーズの魅力には勝てない。

このようにまさに捨て曲なしの名盤なのだが、この作品を作ってしまったばっかりに彼らはこの後行き詰ってしまって、長きに渡る休止状態に入ってしまうのだが


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