2014年08月19日

ノリスケ・ヒガシカタの愛馬ホノオの元ネタ アイルランドのロック・バンド U2のアルバム『焔(ほのお)』

スティール・ボール・ラン・レースの参加者で日本人の老人ノリスケ・ヒガシカタの愛馬ホノオの元ネタは、一般的にはイギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、ピンク・フロイド(Pink Floyd)の9thアルバム『炎〜あなたがここにいてほしい(Wish You Were Here)』みたいだが、この作品はジョジョの奇妙な冒険第4部「ダイヤモンドは砕けない」の主人公東方仗助のスタンド「クレイジー・ダイヤモンド」の時に紹介しているので今回は、アイルランドが生んだスーパー・バンド、U2の4thアルバム『焔(ほのお)(The Unforgettable Fire)』を挙げておこう。

U2の説明は第4部の透明の赤ちゃんのスタンド「アクトン・ベイビー」の時にしているので参考にしていただきたい。

もう一度触れておくと、U2はアイルランドはダブリンの高校でドラムのラリー・マレン・ジュニアがバンドのメンバー募集の張り紙を出したことから始まる。それが1976年のことである。おそらくきっかけはセックス・ピストルズなどが巻き起こしたパンク・ムーブメントに触発されてのことだろうが、もしかしたら高校ではよくあるように文化祭などで演奏するような軽い気持ちで始まったのかもしれない。アイルランドに文化祭があるかどうかは知らないが。この時集まったメンバーが現在の4人に加えてギターのジ・エッジの兄ディック・エヴァンスという5人であった。そしていくつかのバンド名を経て、ディックが脱退した1978年にU2と改める。その後地元のタレント・コンテストで優勝し、CBSアイルランドと契約し、翌79年にはシングルを発売。

そして1980年にアイランド・レコードと契約を交わし、5月にシングル「11オクロック・ティック・タック(11 O'Clock Tick-Tock)」でデビューを果たし、同年10月には早くも記念すべきデビュー・アルバム『ボーイ(BOY)』を発表する。この後3rdアルバムまでプロデューサーを務めたのが、ピーター・ガブリエルやXTCなどを手がけたスティーブ・リリーホワイトである。彼独特の残響処理がU2のサウンドにマッチして独特の世界観を作り上げている。

翌81年に2ndアルバム『アイリッシュ・オクトーバー(October)』を発表。その後83年に発表した3rdアルバム『WAR(闘)』で全英チャート初登場1位を記録し、全米でも12位を記録する大ヒットに。北アイルランド紛争で起きた、1972年の血の日曜日事件の悲劇を歌った「ブラディ・サンデー(Sunday Bloody Sunday)」、「ニュー・イヤーズ・デイ(New Year's Day)」といったヒット曲も生まれる。ここまでの第1期U2で、若者が抱く社会への不満や憤りを直接歌に込めている。

そしてより高度な次元へと成長を遂げたのが、今回元ネタとして紹介する4thアルバム『焔(ほのお)』である。本作と次作のプロデューサーを務めたのが、かつてロキシーミュージックで活躍してその後環境音楽の提唱やトーキング・ヘッズ、ディーヴォなどをプロデュースしたことで知られるブライアン・イーノと、自らも素晴らしいソロ・アルバムを発表しているカナダの音楽プロデューサー、ダニエル・ラノワの2人である。ストレートな表現であった前作と違って、抑制の効いたその歌い方や歌詞が彼らの成長をあらわしている。声を張り上げるだけが怒りをあらわす手段ではないのだ。全英シングル・チャートで3位を記録した「プライド(Pride)」は、アメリカの公民権運動の指導者であったマーティン・ルーサー・キング・ジュニアに捧げられたものであるし、ラストも「MLK〜マーティン・ルーサー・キング牧師に捧ぐ(MLK)」というそのままのタイトルだし、6曲目の「7月4日(4th Of July)」は、アメリカの独立記念日だし、8曲の「インディアン・サマー(Indian Summer Sky)」、9曲目の「プレスリ−とアメリカ(Elvis Presley and America)」とタイトルを見ただけでもアメリカを意識した作りのアルバムだということがわかるだろう。そしてこのアルバムのタイトル『The Unforgettable Fire(忘れざる炎)』とは、広島・長崎への原爆投下を生きのびた被爆者達が描いた絵画のタイトルで、シカゴでこの絵を見たメンバーが感銘を受けてアルバム・タイトルにしたという。

さすがにシングル・カットされた「プライド」は1回聴いただけで耳に残るボノのヴォーカルとジ・エッジのギターが素晴らしい。他にもアップ・テンポの曲があったり、しっとり聞かせるものがあったりとアルバム通して飽きさせない。その中でも個人的に好きなのは7曲目の「バッド(Bad)」だ。ゆったりした曲調でボノのヴォーカルが心にしみてくる。サウンドも非常に壮大な雰囲気を出していた、スケールの大きな名曲だ。これが彼らの真骨頂だ。アルバム全体では完璧とまではいかない。次の歴史的傑作への序章といったところだろうか。彼らは次の『ヨシュア・トゥリー(The Joshua Tree)』で内容、売り上げともに一つの頂点を極める。そしてその後のアメリカ・ツアーのドキュメンタリー映画のサントラ『魂の叫び』までの3作で第2期U2は幕を下ろす。そしてガラッと変身するのが、その後の『アクトン・ベイビー』、『ZOOROPA』、『ポップ』の3部作である。その後はまた原点に戻っていく。


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