2014年04月04日

レオーネ・アバッキオのスタンド、ムーディー・ブルースの元ネタ イギリスのプログレ・バンド ムーディー・ブルース(The Moody Blues)

ブローノ・ブチャラティの部下の一人レオーネ・アバッキオのスタンド「ムーディー・ブルース」の元ネタは、1960年代から現在も活動するイギリスのプログレッシブ・バンド、ムーディー・ブルース(The Moody Blues)だ。

1964年にキーボードのマイケル・ピンダー、ギター兼ヴォーカルのデニー・レイン、フルートヴォーカル兼のレイ・トーマス、ベースのクリント・ワーウィック、ドラムのグレアム・エッジの5人によって結成され、当初はリズム・アンド・ブルース(R&B)をやるバンドであった。デッカ・レコードからデビューシングルを発売するも不発に終わる。しかし1965年1月に発売したマイナーな女性R&Bシンガー、ベッシー・バンクスのカヴァー曲「ゴー・ナウ(Go Now)」が見事全英1位を獲得、全米でも10位と大ヒットする。しかしこの大ヒット曲のインパクトが強かったため、その後の2枚のシングルはそれほどヒットせず、彼らはしばらく沈黙する。

その間に、デニー・レインとクリント・ワーウィックが脱退。ちなみにデニー・レインはドラマー、ジンジャーベイカーがクリーム(Cream)、ブラインド・フェイス(Blind Faith)を経て結成したバンド、ジンジャー・ベイカーズ・エア・フォースに加入し、その後、元ムーブのベーシスト、トレヴァー・バートンと共演し、そこにエアフォースにいたドラムのアラン・ホワイトを加えて、ボールズとしてデビューする。その後ポール・マッカートニーのウイングス(Wings)のギタリストとして結成メンバーとして参加する。

ムーディーブルースは2人の抜けた穴を埋めるため、ギター兼ヴォーカルのジャスティン・ヘイワードとベースのジョン・ロッジを加える。この段階で結成当初目指していたR&Bやブルースに傾倒したものから、メロトロンやシンセサイザーなどの電子楽器を駆使したプログレッシブなロックに傾倒していく。

そして1967年に名作『デイズ・オブ・フューチャー・パスト(Days of Future Passed)』をデッカの子会社デラムより発表する。当時としてはまだ珍しいコンセプト・アルバムで、1日の始まりから終わりまでをテーマに作られた、クラシック的で壮大なスケール感を感じさせる作品に仕上がっている。

のちにディープ・パープルなども行なったオーケストラとの共演をいち早く実現し、ロックとクラシックの融合という試みをはじめて完成させた作品である。アルバム一枚を通して聴くと名作映画のサウンド・トラックを聴いているような感じになる。

アメリカでシングル7「サテンの夜( Nights In White Satin)」が全米2位の大ヒットを記録するのは1972年になってからである。ちなみに母国イギリスでこの曲は68年に19位を記録している。7分を超える彼ららしい非常に壮大でドラマチックな名曲だ。いまだにムーディー・ブルースといえばこの曲というぐらい定番の曲だ。でもやっぱりシングルでわかるような曲ではないと思う。アルバム1枚を通しての、この曲だろう。だからいつも1枚通して聴くことにしている。

余談だが、4月4日深夜24時30分からアニメ ジョジョの奇妙な冒険 第三部スターダストクルセイーダースがTBS系列でスタートする。地域によってOA日が多少異なるが、非常に楽しみである。まず空条承太郎の声が合っているかどうかが心配だ。


2014年04月06日

マリオ・ズッケェロのスタンド、ソフト・マシーンの元ネタ イギリスのプログレ・バンド ソフト・マシーン(Soft Machine)

ギャング団「パッショーネ」の組員マリオ・ズッケェロのスタンド「ソフト・マシーン」の元ネタは、イギリスはカンタベリーのプログレッシブ・ロック、ジャズ・ロック・バンド、ソフト・マシーン(Soft Machine)だ。

1959年に当時10代半ばだったキーボードのマイク・ラトリッジ、サックスのブライアン・ホッパー、その弟でベースのヒュー・ホッパー、ドラムのロバート・ワイアットが一緒になってジャズ風の音楽をやっていたのがきっかけで、1961年ごろマイク・ラトリッジ、ヒュー・ホッパー、ロバート・ワイアットの3人にギターのデイヴィッド・アレンが加わり、デイヴィッド・アレン・カルテットを結成し64年ごろまで活動する。このグループはイギリスのフリー・ジャズ・グループの先駆けとなる。

そして64年にブライアン、ヒューのホッパー兄弟、ロバート・ワイアット、ベースにリチャード・シンクレア、そしてギターにケヴィン・エアーズという5人でワイルド・フラワーズを結成する。しかし彼らはレコードを発表せずに67年に解散してしまい、その後、今回の元ネタになっているソフトマシーンというグループと、キャラバンというグループに分かれていく。

一方デイヴィッド・アレン・カルテットを64年に解散したデイヴィッド・アレンは、65年から66年までイギリスのBBCラジオでビート・ジェネレーションを代表する作家ウィリアム・バロウズと仕事をする。

そして1966年にようやくデイヴィッド・アレン、ケヴィン・エアーズ、ロバート・ワイアット、マイク・ラトリッジ、ラリー・ノーランの5人よってバンドが結成され、ウィリアム・バロウズの小説からバンド名をソフト・マシーン(Soft Machine)とする。そしてシングル「Love Makes Sweet Music」でデビューする。しかしラリー・ノーランはすぐに脱退し4人で活動していくことになる。

ヨーロッパ各地をまわって活動し、パリでのコンサートの後、帰英する際にデイヴィッド・アレンが麻薬問題により再入国が許されず、フランスに戻りそのまま脱退してしまう。68年にはジミ・ヘンドリックスの前座として3ヶ月にもおよぶアメリカ・ツアーを行う。この時デイヴィッドのかわりにギターを担当したのが、のちにポリスで活躍するアンディ・サマーズである。

滞在先のアメリカ、ニューヨークでケヴィン・エアーズ、ロバートワイアット、マイク・ラトリッジの3人でデビューアルバム『ソフト・マシーン(The Soft Machine)』を完成させる。しかしその後ケヴィン・エアーズが脱退。その代わりにバンドのロード・マネージャーだったヒュー・ホッパーがベーシストとして加わる。

そして69年に『Volume 2』を発表、その後彼らはイギリスを代表するジャズ・ピアニスト、キース・ティペットのグループからサックスのエルトン・ディーン、トロンボーンのニック・エヴァンス、、サックスのリン・ドブソン、フルート、クラリネットのジミー・ヘイスティングス、ヴァイオリンのラブ・スポールの5人を加えて8人で活動する。そして1970年に今回紹介する3rdアルバム『THIRD』を発表する。

前2作のようなコンパクトにまとまった曲はなく、アルバム1枚(発売当時はレコード2枚組)で4曲という非常にフリー・ジャズ的なアルバムである。元々彼らはジョン・コルトレーンやオーネット・コールマンらの影響を強く受けていて、当然のようにこのような音楽に変わっていたのだと思われる。そしてキース・ティペット・グループのホーン陣の参加により、さらにその傾向を強めている。4曲ともが18分越えの大作ばかりで、ジャズ・ロックと言われたりするが、アヴァンギャルドな感じやフリー・ジャズを思わせる部分もあったりする。1曲目の「Facelift」は特にその特徴が顕著である。ヘッド・フォンで大音量で聴いていると病み付きになりそうな曲である。2「Slightly All The Time」は単調に続くリズムにサックスが激しく絡み合うジャズ的要素が強い曲だ。3「Moon In June」はこのアルバム唯一のヴォーカル・ナンバーで、ロック・リスナーでも一番聴きやすいのではないだろうか。聴きやすいといっても19分もあるのだが。4「Out-Bloody-Rageous」は最初の5分ほど宇宙的な感じからキーボード、サックス、キーボードと主役の楽器が入れ替わっていくジャズロック色の強いナンバーだ。

もしかしたらロック・リスナーにとっては退屈なアルバムなのかもしれない。しかしこのブログを読んでくれている人にはこの作品をきっかけに、超強烈なフリー・ジャズの名盤、ジョン・コルトレーンの『アセンション(Ascension: Editions I & II (Reis) (Rstr)
)』などに行き着いて欲しい。彼らもこの辺のアルバムは聴いていたのではないだろうか。

2014年06月08日

ケンゾーのスタンド、ドラゴンズ・ドリームの元ネタ カンフー映画『燃えよドラゴン』

老人の男囚ケンゾーのスタンド「ドラゴンズ・ドリーム」の元ネタは、この章のタイトル「燃えよ龍の夢」からカンフー映画『燃えよドラゴン』のようだ。ケンゾーが使うのもカンフーのような技なので間違いないだろう。

このブログでは音楽の元ネタを紹介しているので今回はサントラも映画と共に挙げておこう。『燃えよドラゴン』は今更説明も不要だろう。32歳の若さでこの世を去った香港が生んだ世界的アクション・スター、ブルース・リーの代表作であるとともに、カンフー映画の金字塔である。音楽は、『ダーティハリー』シリーズやテレビ・ドラマの『スパイ大作戦』などを手がけた、アルゼンチンの作曲家ラロ・シフリンの手によるものだ。多分誰でも聞いたことがある音楽だと思う。結局このサントラは1、10曲目のテーマ曲に尽きるだろう。収録されている「アチョー」というブルース・リーの声による怪鳥音が映画のシーンを思い出させてくれる。それ以外は、あまり取り上げるところがないように感じる。

追加で今回は、元ネタではないがジョジョに合いそうな音楽を紹介したいと思う。まず「Dragon's Dream」ということで、ちょっと興味深いものを見つけたのでそれに関連して音楽を紹介しよう。

この画集は、ロジャー・ディーンというイギリスの画家で、ピンク・フロイドやレッド・ツェッペリンのジャケット・デザインで有名なアート・グループ、ヒプノシスと並びロックのジャケットを数多く手がけた人物の作品集であり、そのタイトルが「Dragon's Dream」で今回のスタンド名と同じなので取り上げた。特に彼の作品の中で中心をなすのがプログレッシブ・ロックの代表格で、ジョジョのアニメのエンディング・テーマ曲(「ラウンドアバウト(Roundabout)」) にも採用されたイエス(Yes)のジャケット・デザインである。他にもイエスのメンバーのソロ・アルバムや、アトミック・ルースター、ユーライア・ヒープ、エイジアなどのジャケット・デザインを手がけている。そんな中でも今回のスタンドに合いそうなのはエイジアの1stアルバムだろうか。

エイジア(Asia)は、70年代に流行したプログレッシブ・ロックをその要素を継承しつつ、うまくコンパクトにポップにまとめたイギリスのグループである。1980年にイエスの存続を断念して解散したギター兼ヴォーカルのスティーヴ・ハウとキーボードのジェフ・ダウンズが中心になって新しいグループを結成する。そこに元キング・クリムゾンのヴォーカル兼ベースのジョン・ウェットン、元エマーソン・レイク・アンド・パーマーのドラム、カール・パーマーが加わったスーパー・グループが誕生する。

そんな彼らが1982年に発表したデビュー・アルバムが、上記の『詠時感〜時へのロマン(Asia)』である。本作は見事に全米ビルボード・チャートで9週1位を獲得し、その年の年間アルバム・チャートでも1位に輝いている。現在までに1500万枚以上を売り上げる大ヒットアルバムである。シングル1「ヒート・オブ・ザ・モーメント(Heat Of The Moment)」が全米チャートで4位を記録するなど、シングルでも十分通用するポップなサウンドである。プログレッシブ・ロックの大御所たちが集まった割には非常に聴きやすくて、万人受けするようなサウンドであり、いかにも80年代といった感じである。ポップだが安っぽく感じないのは、彼らの卓越した演奏技術のためだろう。イギリスのグループなのに、どこかアメリカっぽい、カラッとした晴れ渡った空を感じさせる80年代を代表する名盤である。プログレを難解だと言って敬遠していた人も聴けるアルバムだが、これをプログレと呼んでいいものかは疑問だ。
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