2016年10月01日

自称宇宙人の支倉未起隆のスタンド、アース・ウインド・アンド・ファイヤーの元ネタ ファンク・バンド、アース・ウィンド・アンド・ファイアー (Earth, Wind & Fire)

自分は「マゼラン星雲からやって来た宇宙人で、本名はヌ・ミキタカゾ・ンシ、年齢は216歳、職業は宇宙船のパイロットだ」と語る謎の転校生、支倉未起隆のスタンドで、何にでも変身できる能力の「アース・ウインド・アンド・ファイヤー」の元ネタは、アメリカのファンク・バンド、アース・ウィンド・アンド・ファイアー(Earth, Wind & Fire)である。

1970年代前半、数多くのファンク・バンドが活動を始めた背景には、1950年代に絶頂期を迎えたジャズ・ミュージシャンの多くが60年代後半になって、ジャズの衰退とともに仕事を失い、当時人気だったソウルという新しい世界に進出して行ったというのがある。そこからスタジオ・ミュージシャンとしてニュー・ソウル・シーンを支えたり、フュージョンへ移行していったりしたものがいた中で、ファンク・バンドとして活動を始めるものも多かった。今回の元ネタになっているアース・ウィンド・アンド・ファイアーもそんな中の1つで、最も成功したグループである。

中心人物であるモーリス・ホワイトは医者を父親に持つ裕福な家庭に育ち、14歳の時に親友でもあり、のちにブッカー・T&ザ・MG'sを結成するブッカー・T・ジョーンズとバンドを組み、ドラムを担当する。その後、シカゴ大学でピアノや音楽理論を学ぶが、中退してブルースの名門レーベル、チェスレ・コードのスタジオ・ミュージシャンとして働き始める。そして、そこで知り合った大物ジャズ・ミュージシャン、ラムゼイ・ルイスのバンド、ラムゼイ・ルイス・トリオのドラマーに加入する。

しかし自分の理想としている音楽を追求するため、トリオを脱退して新しいバンドを結成する。そして1971年に、バンド名と同タイトルのアルバム『アース・ウィンド・アンド・ファイアー』でデビューする。しかしこの当時はジャズ系のバンドといったイメージで、現在イメージする彼らとは異なっている。そのため1st、2ndと思うような結果が出ず、所属レコード会社をワーナーからコロンビアに移している。最初はメンバーが固定されていなかったが、アルバムを発表するにつれ、徐々に固定化していく。

そしてカリンバ、パーカッション、ヴォーカルのモーリス・ホワイト、その弟でベースのヴァーダイン・ホワイト、さらに弟でドラムのフレッド・ホワイトヴォーカルのフィリップ・ベイリー、パーカッションのラルフ・ジョンソン、キーボードのラリー・ダン、ギターのジョニー・グラハム、ギターのアル・マッケイ、サックスのアンドリュー・ウールフォークといったメンバーにベテラン・プロデューサー、チャールズ・ステップニーが加わる。ここに実績のある彼らが持ち寄った音楽が上手く混ぜ合わさり、新しいファンク・ミュージックが誕生する。

今回は、そんな彼らが絶頂期にあった1976年に発表した『魂(Spirit)』を紹介しておこう。何をおいてもヒットした1曲目の「ゲッタウェイ(Getaway)」を聴くべきだろう。ビルボード・チャートでも最高位12位を記録し、R&Bチャートでは見事1位を獲得している。このアルバムで1番のアップ・テンポな曲で、ロック・リスナーが聴いてもカッコイイと感じるだろう。とにかくバックのサウンドが異常にカッコイイ。個人的には彼らの代名詞でもあるファルセット・ヴォイスのヴォーカルはあまり好きではない。だからどうしても、バックのサウンドに耳が集中してしまう。
そういう点でいうと、これもアップ・テンポの曲8「異次元への飛翔(Biyo)」はインストゥルメンタルなので存分に彼らのサウンドを堪能することが出来て、1曲目と比べても甲乙つけがたいほどのお気に入りの曲だ。
他の曲はスロー・テンポ、ミドル・テンポの曲だが、それでも彼らの演奏は超一級品だ。レビューなどを読んでいると、このアルバムは彼らのヴォーカルが堪能できる作品だそうで、個人的にファルセット・ヴォイスがあまり好きではない私は、彼らのファンではないということだろう。それでも彼らの一流の演奏を聴くだけでも価値はあると思う。


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